設備事故の現地調査で確認しておきたいこと
連載「現場から考える、設備事故と保険」
雷や漏電、焼損などで電気設備や空調設備にトラブルが起きたとき、原因を確かめるために現地調査が行われることがあります。こうした調査は、当日までにどのような準備をしておくかで、状況の伝わりやすさが大きく変わります。
設備の事故は、保険が関係する場合もあります。ただしここでは保険の話を中心にするのではなく、電気設備の専門業者の立場から、現地調査に向けて「何を残し、当日に何を確認しておくとよいか」という実務的な準備を整理します。
現地調査とは何を見る場か
設備事故の現地調査は、どの設備に、どのような不具合が起きているのかを確認する場です。現場には、立場の異なる人がかかわることがあります。
- 設備業者:電気設備や空調設備の状態を、点検・測定・修理の観点から確認します。
- 調査・鑑定を行う担当者:事故の状況や損害の程度を調べます。
- 保険会社:ご契約の内容や事故の状況をもとに、最終的な判断を行います。
それぞれ役割が異なり、確認する視点も違います。役割の違いについては、この連載の別記事でも改めて取り上げる予定です。
調査の前に、残しておきたい客観的な記録
調査の前に、その時点で分かっている事実を客観的に残しておくと、当日の説明がスムーズになります。無理のない範囲で構いません。
写真(全体と近接、周辺の状況)
まずは写真です。可能であれば、次のような形で残しておくと状況が伝わりやすくなります。
- 設備の全体が分かる写真と、不具合のある部分の近接写真の両方
- いつ撮影したか分かるようにしておく(撮影日時が記録される設定など)
- 周辺の状況(設置場所やまわりの様子)も一緒に
ただし、感電のおそれがある場所や高い場所には近づかないでください。安全に撮れる範囲だけで十分です。
発生状況のメモ(事実だけ)
次に、気づいたときの状況をメモに残しておきます。ここでは推測ではなく、分かっている事実だけを書き留めるのがポイントです。
- 不具合に気づいた日時
- そのときの天候や使用状況(雷が鳴っていた、使用中に止まった、など事実として分かること)
- その後の変化(動かなくなった、においがした、など)
型番・設置状況が分かるもの
対象の設備の型番や設置状況が分かるものがあると、確認が進めやすくなります。
- 本体や取扱説明書に記載された型番・製造番号
- 購入時期や設置時期が分かる書類(分かる範囲で)
型番のシールが見えにくいときは、無理に動かさず、見える範囲を写真に撮っておく程度で構いません。
調査当日に確認しておきたいこと
調査当日は、その場の説明を落ち着いて聞き、分からない点は質問しておくと安心です。次のような観点があります。
どの設備を、どんな方法で確認するのか
見た目だけの確認なのか、測定を伴う確認なのかで、分かることの範囲は変わります。どの設備を、どのような方法で調べているのかを、その場で確認しておくとよいでしょう。
判断の根拠を説明してもらえるか
確認の結果については、分かることと現時点では分からないことを分けて説明してもらえると、状況を理解しやすくなります。根拠となる写真や測定結果があれば、それも合わせて確認しておきましょう。
対象の設備に詳しい担当者かどうか
設備には、それぞれ構造や仕組みの違いがあります。対象の設備について、どのような観点から確認しているのかを聞いておくと、説明の内容を理解しやすくなります。これは相手を疑うためではなく、確認の中身をお客様自身が納得して受け止めるための、中立的な観点です。
見解が分かれたときの落ち着いた進め方
もし、確認できた状態と説明の内容に違いを感じたときは、感情的にやり取りするのではなく、写真・測定結果・設備構造といった客観的な材料をもとに、もう一度整理して確認するのが落ち着いた進め方です。
その場ですぐに結論を出す必要はありません。分からない点は「どの根拠からそう判断したのか」を確認し、必要であれば記録を残したうえで、改めて確認を依頼することもできます。落ち着いて事実を確かめていくことが、結果としてお客様自身の納得にもつながります。
まとめ
設備事故の現地調査では、写真・発生状況のメモ・型番といった客観的な記録が、状況を正しく伝えるための土台になります。こうした記録は、当日の確認を分かりやすくし、お客様自身が納得して状況を受け止めることにもつながります。
XiADENは、確認できた事実の範囲を超えて、事故の原因を断定することはしていません。最終的な保険の判断は保険会社が行うものであり、私たちは電気設備の専門業者として、確認できた事実を正確にお伝えする立場です。
XiADENは、電気工事・空調設備・住宅設備の点検、修理、交換工事を行う専門業者です。
XiADENは、保険金が支払われることを保証しません。
また、その状況が保険適用の対象となるかどうかの判断も、弊社では行っておりません。保険適用の可否は、ご契約内容や事故状況などを踏まえ、保険会社が判断するものです。
事故原因を作り上げたり、保険請求に都合のよい説明に合わせたりすることもありません。
また、保険の利用を前提とした工事の勧誘や、保険申請の代行を行う会社でもありません。
ただし、保険が関係する設備事故についても、電気設備の専門業者として、現場で確認できた事実、写真、測定結果、設備構造に基づく技術的な見解を、正確にお客様と保険会社へお伝えします。
設備の不具合についてのご相談
電気設備や空調設備の故障、雷、漏電、焼損などで、原因確認や修理が必要な場合はXiADENへご相談ください。保険が関係する場合でも、まずは設備の状態を正しく確認することが大切です。